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 縄師-Ⅳ ちづるとみひろ
第2章  非日常
 先輩と二人で校門を出る。
 
「千鶴の彼はウチの学校じゃないよね」

「どうしてそう思った?」
 訊かれるだろうと思っていたことを訊かれた。

「屋上でのキス。服の脱ぎ方に躊躇いがなかったし、感じ方が早くて深かった。何より千鶴の脳波には彼の気配を感じないから他の学校かと思った」

「うん。彼は幼ななじみ。今、中3だから、もち学校は別」
「そうなんだ。やっぱりね。それでいいの?私とのこと」

「先輩のことは話してる。彼とのセックスは私達とは違うから、彼も納得してる。 なので気にしなくていいです」

「あっ。私と二人だけの時はタメでいいから。してるんだ、セックス。それで、私達とは違うってどんなふうに違うの。私はまだバージンだから、違うと言われてもよく判らないんだけど」

「簡単に言うと、彼はサディストで、両親が仕事でいないとき家に来て、私を縛って色々な事をして、苦しめながら犯すの」

 説明が簡単すぎたかも知れないと思った。

 思った通り、先輩は目を丸くして口を開けたまま立ち止まって私の顔を見た。
 だがその言葉は思ったのとまるで反対だった。

「すごい。それって私が望んでいるとおりだわ。だから千鶴が初めて部室に来たとき、お腹がキュッとしたんだ。でも、その彼に私を犯して貰うのって無理よね」

 先輩が呟く。

「うーん。でもね、先輩を犯すのが絶対男性のものでなくてもいいなら、私が縛って犯してあげる。あとは先輩がシチュエーションを超能力で作ればいいんだけどどうかしら」
「うん。それは私も見知らぬ男性よりも千鶴の方がいいし、どちらかというと私は男性より女性が好きなのだけど……」
「じゃあ次の土曜日ウチに来て。両親はいないし、ウチには蔵があっていろいろな道具もあるから」

「わかった」
「これを見て」
 私は学校のフェンスにもたれて、先輩に前に立って貰った。

 そうやって人の目を防いでおいて、「先輩。これ見て」素早くスカートをめくり、内股のキスマークを見せる。
「これ、彼がつけたキスマークなの。意味はね……」

 説明しながら『なんだ。私達のセックスとは違うって言ったけど、結局カテゴリーでは同じじゃ無いか』
 そう思いながら家までの地図を書いた。


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