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愛とは違う
第2章 素直に言えば?
「ボクが?」
じっと見られると話しづらいからまた目を伏せてポテトをつまむ。
「なんかね、ヒソカっていつもなに考えてるのかわからないけど、たまあに今の俺見たらこう言うだろうなあってのがあって。あの時は、そこで死んだらがっかりだよ、って。声が聞こえたんだ。ヒソカの。すっごいムカついて」
「うん?」
「だって、青い果実ってさ! 期待してるってことでしょ? レオリオに訊いたら熟する前の半人前って。それって一人前になるのを待つって意味じゃないのかなって。なのに、もう見放しちゃうみたいに言うから。だから……」
「ゴォン♥ 思い込みが過ぎてるんじゃない♣」
はっと口をつぐむ。
自分でも何言ってるのかわからなくなってきていたのだ。
口の奥のポテトがパサついて喉に貼り付いてるみたいな嫌な感じ。
もやもや。
だってわからない。
どう言えば良いのか。
「……ボクねえ、ゴンには生きていて欲しいんだよ♦」
「……どういうこと?」
「そのままだよ? 今回もキミが死にかけてるってイル……まあ、トモダチに聞いてさ♠ 結構吃驚したんだよね♥」
キミのためにイルミをからかったりもしたけど、とヒソカは口の中で呟いた。
「なんで?」
「んー♣ 死なれたら困るから♦」
「でーと、出来なくなるから?」
「それもあるんだけどねえ♠」
わからないかなあ。
ヒソカはもどかしさを感じながら手を組み直した。
「ね。単純な疑問訊いても良い?」
「ドウゾ♥」
「ヒソカってクロロと俺どっちが面白いと思う?」
風がプレートに添えられた紙ナプキンを揺らしてカサリと音を立てる。
通行人の会話が突然耳に入ってきた。
「……ヒソカ?」
俺は沈黙に堪えきれなくなって名前を呼んだ。
なんでそんな目を丸くしてるのかも不思議だったし。
「その、さ。ヒソカが蜘蛛に入ってたのってクロロと戦いたかったからって聞いて」
「……っああ♣ そういうことね♦」
「え?」
「あまりに唐突だからちょっと意味を図りかねたよ……」
「俺変なこと言った?」
少し顔が熱くなる。
キルアとかレオリオ達と違って会話がなんかうまくいかないんだよな、ヒソカと話すときって。
緊張してるから?
なにに?
「同じくらいじゃない?」
「えー……そうなんだ」