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愛とは違う
第3章 壊させて

 長い指先が首に触れ、ゆっくりと下がっていく。
 ただ撫でられているだけなのに怖くて仕方なくて、喉の真ん中を爪が掠めて小さくひくつく。
「んん……」
 シーツを両手でぎゅっと握って、ヒソカの膝を挟むように太腿を寄せる。
「ねえ、やめ」
「しーっ」
 唇に反対の手の指先を押し当てられ、口をつぐむ。
 白い歯を覗かせて微笑まれると、文句が出てこなくなる。
 満足そうに指を下ろし、顎をくいと持ち上げるとまた顔を近づけた。
 強く目を閉じて目の前に感じる吐息に顔を熱くしていると、何もされない沈黙が続いた。
 肌の上の手も動かない。
 変に思ってつい瞼を上げると、ばちんと視線が交わった。
「やっと見た」
 意地悪。
 こういうの、意地悪っていうんだ。
「口開けて、ゴン」
 泣きそうになってくるのを堪えて、言うとおりにそっと開く。
 その隙間に指が入ってきて、舌を摘んだ。
「あっ、ぇあ」
 唾液が指にからんで垂れ落ち、冷たい刺激になって胸を撥ねる。
「閉じちゃダメ」
 顎が変な感じで震えてくる。
 呼吸がうまくできなくて、喉の奥が苦しい。
 ただ口を開けて舌を出しているだけなのに、涙が溢れてくる。
 言葉がうまく出ないから、微かに首を振った。
 それでも指は離してくれない。
「いお、ぁ」
 舌の裏を絶え間なくいじられて、お腹の下の方がムズムズする。
 ジュプ、チュプと音が耳に直に響く。
 唇の痺れに耐えきれなくて無理やり口を閉じてしまった。
 ヒソカの指を咥えたまま。
 急いで鼻で息を整えてまた開こうとした時、股間を膝で押し潰されて悲鳴が漏れ出た。
「っあぅぐ!」
「イイ声だ」
 鋭い痛みが走り、ジンジンと広がっていく。
 言葉も出せずに体を折り曲げて両手でそこを押さえる。
 指を抜いてもらえたけど、こんなことなら思い切り噛めばよかった。
 痛い。
 勢いよく顔を上げて睨みつけようとしたけど、眉に力が入らなかった。
 さっきまで俺の舌を弄んでいた指にヒソカが唇を這わせていた。
 唾液を舐めとるように。
「な、にし……て」
 わざと音を立てて指を吸うと、愉快げに囁いた。
「やっぱり直接味わいたいかな」
 頬を包んだ大きな手に引き寄せられ、べろりと唇を舐めたかと思ったらすぐに中に入ってきた。
「んん、む」
 閉じた歯をこじ開けられて、縮んだ舌を引きずり出される。
 
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