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愛とは違う
第3章 壊させて
それを掬い取ったヒソカがわざわざ顔の前に持ってきてみせる。
「初めて?」
「しら、ない……」
なんだか見たくなかった。
恥ずかしくてたまらなくて。
ぬちゃり、と指に絡ませてヒソカはそれを俺の口元に擦り付けた。
反射的に顔をそらしたけど間に合わない。
「なにすんっ」
「舐めて」
親指を口の間に押し込まれて、いやでも舌先に粘りが乗る。
「っぃい!?」
生臭さと苦味が広がって、手の甲で舌を拭う。
ゴシゴシと。
まずい。
気持ち悪い。
なんでこんなことするの。
「美味しいのに……」
ハッとその言葉を呟いた口を見ると愛しそうに液を舐め取った。
瞬きすら忘れて凝視してしまう。
なにやってんの。
恥ずかしさで頬が燃えそう。
「やめてっ」
「これも、直接かな」
意味がわかるのに数秒かかった。
でも、舌を出して身を屈めた姿に全てが理解できて血の気が引く。
右足を立てて後ずさろうとした裏腿を強く掴まれて阻止され、引こうとした腰を逆に引きずり寄せられる。
「や……やだヒソカっ、ッアア!」
聞こえてないかのように躊躇いもなく濡れた先端を喰まれる。
熱い内頬と舌が包み、すぐに何かまた出そうになる。
ヒソカの頭を押しのけようとしても、力が入らない。
だって、変だよ。
あのヒソカが俺の前で屈んで、汚いとこ舐めてる。
靴を履かせてくれた時よりずっと変だよ。
頭が割れそうにギンギンと痛い。
涙がボロボロ流れてくる。
「だ、めだってば……」
うずくまるようにして腰に力を込めないと、変になりそう。
でも裏を執拗に舐め上げる舌に脱力する。
早く頭をどけさせないと。
苦しい。
またさっきのが出そう。
どいて。
やだ。
怖い。
早く。
「やっあ、あぁあッ」
念を使い果たしたみたいにぐったりと力が抜ける。
出ちゃった。
出してしまった。
「ご、め……やぅあっ、やめて!」
なにしてんの。
なんで吸ってんの。
飲まないで。
飲まないで。
汚いのに。
やだ嫌だ。
ヒソカの顔を起こそうと必死に手で押し上げる。
でも飲み込む喉の収縮が伝わって。
「ヒソカっ、ヒソカぁっ! バカ!」
じゅぽ、と音を立てて離れた唇が糸を引くように液を垂らし、親指の爪でそれを拭う。
俺が見てるのをわかっててゴグリと最後の滴を飲み込んだ。
最低だ。