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愛とは違う
第1章 治らなければいいのに
「ヒソカ!」
天空闘技場で見た服装で、いつも通りオールバックの髪。
にこりと微笑みを貼り付けて。
「調子悪いんだってね♦」
コツコツとヒールを鳴らしながらベッドに近づく。
つい身を起こして警戒してしまう。
「べっ、べつに! 戦えるし」
「うん? ボクが近づいても念を使おうともしないのに♠」
しまった。
凝で見破られてる。
溜息と共に脱力する。
今の状態でヒソカに強がっても何の意味も無いことに気づいたのだ。
「……何の用?」
「ツレないなあ♥ キミが元気ないっていうから看に来てあげたのに♣」
そう言いながら果物やハムが詰まった見舞いの籠を一瞥する。
「いいよ! 何もしないで……」
でも、出て行けとは言えなかった。
また、静かになるのが厭だったから。
それを読み取ったヒソカがにこりと微笑む。
「ボクさあ、早くキミとデートがしたいんだよね♥」
闘技場での戦いがフラッシュバックする。
あの楽しかった時間。
わくわくして堪らなかった。
石版返しをして、それでも頭脳戦になると一瞬で負けて。
―次は本気でヤろう―
あの言葉もずっと頭に残っている。
観客もルールもない、命を懸けた闘い。
「……オレも早く戦いたい。でも……ごほっへぶしゅっ」
くしゃみに口を押さえる。
鼻水が垂れてきて鼻を啜る。
「ほら♠」
ハンカチを渡されて、しぶしぶ受け取り鼻を噛む。
じっとヒソカを見上げると、愉しそうにオレを眺めていた。
かあっと熱くなる。
なんでだろう。
初めて会った時みたいにどきどきしてる。
わからない。
闘いの時は、次は何が来るかってなんとなくわかっていた。
でも今は違う。
ヒソカが指を動かすだけでびくりとしてしまう。
天空闘技場で見た服装で、いつも通りオールバックの髪。
にこりと微笑みを貼り付けて。
「調子悪いんだってね♦」
コツコツとヒールを鳴らしながらベッドに近づく。
つい身を起こして警戒してしまう。
「べっ、べつに! 戦えるし」
「うん? ボクが近づいても念を使おうともしないのに♠」
しまった。
凝で見破られてる。
溜息と共に脱力する。
今の状態でヒソカに強がっても何の意味も無いことに気づいたのだ。
「……何の用?」
「ツレないなあ♥ キミが元気ないっていうから看に来てあげたのに♣」
そう言いながら果物やハムが詰まった見舞いの籠を一瞥する。
「いいよ! 何もしないで……」
でも、出て行けとは言えなかった。
また、静かになるのが厭だったから。
それを読み取ったヒソカがにこりと微笑む。
「ボクさあ、早くキミとデートがしたいんだよね♥」
闘技場での戦いがフラッシュバックする。
あの楽しかった時間。
わくわくして堪らなかった。
石版返しをして、それでも頭脳戦になると一瞬で負けて。
―次は本気でヤろう―
あの言葉もずっと頭に残っている。
観客もルールもない、命を懸けた闘い。
「……オレも早く戦いたい。でも……ごほっへぶしゅっ」
くしゃみに口を押さえる。
鼻水が垂れてきて鼻を啜る。
「ほら♠」
ハンカチを渡されて、しぶしぶ受け取り鼻を噛む。
じっとヒソカを見上げると、愉しそうにオレを眺めていた。
かあっと熱くなる。
なんでだろう。
初めて会った時みたいにどきどきしてる。
わからない。
闘いの時は、次は何が来るかってなんとなくわかっていた。
でも今は違う。
ヒソカが指を動かすだけでびくりとしてしまう。