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愛とは違う
第1章 治らなければいいのに
 結局あっという間に林檎を食べ終わり、少しだけ喉も潤って落ち着いてベッドにもたれかかる。
「大人しいキミって新鮮だね♣」
「別に好きでそうしてるわけじゃ……」
 むっと言い返す。
 暖かい日差しと木陰が揺れる。
 穏やかな午後。
 キルアもしばらく帰ってこない。
 ヒソカはそれを知ってて来たのかな。
 唐突に額のタオルを外され、大きな手で触られる。
「な、なにっ?」
「まだ熱あるね♦」
 すこし冷たいヒソカの手が、額をゆっくりなぞる。
 親指が眉にかかって、なんだかぞくってした。
 だからすぐ俯いてしまう。
「大丈夫……すぐ下がるし。オレ風邪とかあんま引かないし」
 そうだ。
 本当に今まであまり体験なかった。
 酷い怪我をした時とか、高熱にうなされたことはあるけど。
 昨日寒かったからかな。
 本当に身体は元気なのにもどかしい。
「まあ、ゴンは単純だもんね♥」
「念能力性格判断? それ前も言ってたよね」
「くく、よく覚えてる♠」
「だって当たってたし……ヒソカってよく人を見てるよね」
「んー、人間観察?」
「なんか、いつも見抜いてさ……不気味だけど、凄いと思う。なんでわかっちゃうんだろうっていつも」
 そうだ。
 カストロとのバトルの時もそうだった。
 計算しつくされた派手な戦い方。
 無駄に見えて、無駄のない。
「本当にヒソカは強いんだなって」

「でもすぐ追い越すんでしょ♠」

 低いゆっくりとした声にハッとヒソカを見る。
 いつものおちょくる眼じゃない。
 闘技場の最後の言葉を思い出させる真剣な眼。
 試すように。
 でも、オレの答えを知っているように。
「じゃなきゃデートも楽しくならないからね♥」
 にこりと。
 どっちなんだろ。
 どっちが本当のヒソカなんだろ。
 たまにわからなくなる。
 いや、いつも。
 気まぐれに変わる表情に芯がどこかなんて掴めない。
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