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坊ちゃまと執事 〜或いはキャンディボンボンの日々〜
第1章 かくも愛しき田園の一日
ふいにオスカーの身体が暖かく柔らかいミルクの甘い香りに包まれた。
アルフレッドが寝台から立ち上がり、オスカーの背後から抱きついたのだ。
「…!」
「オスカー、僕はずっとオスカーと一緒にいるよ」
「アルフレッド様…!」
オスカーが慌てて振り向くと、アルフレッドは輝く碧の瞳でじっと見つめていた。
寝台の上からだと視線の高さが同じだ…
…アルフレッド坊っちゃまが急に大きくなられたようで、嬉しいような寂しいような不思議な気持ちになる。
「…オスカーとずっと一緒にいる。だってオスカーは僕の執事でしょ?」
「もちろんです!私はアルフレッド坊っちゃまの執事です。私は坊っちゃまのお側に仕え、坊っちゃまをお守りし、生涯離れません」
アルフレッドは花が咲くように笑った。
「良かった!…オスカーってば昼間はリヒャルト先生にベタベタされていたし、心配だったんだよ」
「…ドクターアーレンベルグのことはどうぞご心配なく。ドクターは悪ふざけが過ぎるだけですから。
…しかし、坊っちゃま…坊っちゃまがこのお屋敷だけでずっと暮らされることが果たして坊っちゃまの幸せなのか否か…私は段々分からなくなったのです」
普段の敏腕執事ぶりはどこへやら、オスカーは頼りなげに肩を落とす。
アルフレッドは寝台からぴょんと飛び降りると、オスカーに正面から抱きつく。
「僕の幸せは僕が決める。僕はオスカーとこの屋敷で暮らすことが一番の幸せだ」
「…坊っちゃま…しかし…」
躊躇するオスカーにアルフレッドは安心させるようにはっきりとした口調で意思を伝える。
「もちろん将来のこともちゃんと考えているよ。…もっともっと真面目に勉強して、将来はお父様がご卒業されたケンブリッジに入学する!僕はエジプト考古学を学びたいんだ」
オスカーの美しい碧の瞳が驚きに見開かれる。
「…坊っちゃま…!」
「ケンブリッジに入学したら、僕は寮生活だ。
オスカーには近くに屋敷を借りてそこに住んで貰う。そして週末にはそこで二人で過ごすんだ。…使用人はハウスメイドと料理長くらいでいい。こじんまりと暮らすんだ」
「坊っちゃま…」
絶句するオスカーにアルフレッドはふと不安げな顔をする。
「…嫌かな…?」
オスカーは激しく首を振り、目頭を押さえる。
「…感激で胸が一杯なのです。…坊っちゃまが…そのように将来のことを考えて…しかも私のことまで考えて下さっているとは…」
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