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坊ちゃまと執事 〜或いはキャンディボンボンの日々〜
第2章 お茶会狂想曲
「なんなんだよ!本当にもう!あいつめあいつめッ!」
アルフレッドは大きな羽枕をベッドから床に叩きつけ、その上に飛び降りると、ドスドスと踏みしだいた。
ホットミルクを持ってきたオスカーが美しい眉を顰め、窘める。
「アルフレッド様、お行儀が悪いですよ」
「だって、オスカー!」
ふくれっ面のアルフレッドは怒りに碧の瞳をきらきら輝かせ、唇が尖り本当に可愛らしい。
だからつい、オスカーは甘やかすように微笑んでしまう。
「フレデリック様は少し皮肉屋な方なのでしょう。お気になさることはありません」
「…それだけじゃない…」
アルフレッドはふくれっ面のまま呟いた。
「何ですか?」
上目遣いでオスカーを見る。
「…フレデリック、オスカーにベタベタしてばかりだ。何かと言えばオスカーオスカーってさ!」
オスカーは静かに笑い、ホットミルクとビスケットを差し出す。
「私が最初にお話をしたから、御用を言いつけ易いのでしょう」
「んもう!そんなんじゃないよ!フレデリックは…」
絨毯の上で地団駄を踏んでいると、ノックもなしに部屋のドアが開いた。
「…やっぱりここにいた。オスカー…」
フレデリックが大人びた紺のベルベットのガウン姿で、顔を覗かせる。
アルフレッドがあからさまにむっとした顔をする。
「オスカーに何の用⁈」
それには答えず、フレデリックはオスカーに話しかける。
「ホットワインを持ってきてくれないか。僕は枕が変わると寝つきが悪いんだ」
オスカーが答える前に、アルフレッドがズカズカとフレデリックの前に近づき、言い返す。
「そんなことは下僕に言いなよ!オスカーは忙しいんだから!」
フレデリックは形の良い唇を吊り上げ、皮肉めいた笑みを浮かべる。
「君にホットミルクとビスケットを持って来たりとか?まるでbebeちゃんだな。あとは絵本の読み聞かせもしてもらうのかい?」
アルフレッドが山猿のような奇声を上げて怒り狂う前に、オスカーがフレデリックの前に進み出た。
「かしこまりました。ではご一緒にまいりましょう」
「オスカー!」
怒髪天つく勢いのアルフレッドに、
「すぐ戻ります。お寝みのご準備をなさっていて下さい」
とオスカーは素早く告げて、得意げに笑うフレデリックと共に部屋を後にした。
後に残されたアルフレッドは羽枕をドアに投げつけ
「オスカーのバカバカバカ!」
と憤然と喚き散らすのだった。
アルフレッドは大きな羽枕をベッドから床に叩きつけ、その上に飛び降りると、ドスドスと踏みしだいた。
ホットミルクを持ってきたオスカーが美しい眉を顰め、窘める。
「アルフレッド様、お行儀が悪いですよ」
「だって、オスカー!」
ふくれっ面のアルフレッドは怒りに碧の瞳をきらきら輝かせ、唇が尖り本当に可愛らしい。
だからつい、オスカーは甘やかすように微笑んでしまう。
「フレデリック様は少し皮肉屋な方なのでしょう。お気になさることはありません」
「…それだけじゃない…」
アルフレッドはふくれっ面のまま呟いた。
「何ですか?」
上目遣いでオスカーを見る。
「…フレデリック、オスカーにベタベタしてばかりだ。何かと言えばオスカーオスカーってさ!」
オスカーは静かに笑い、ホットミルクとビスケットを差し出す。
「私が最初にお話をしたから、御用を言いつけ易いのでしょう」
「んもう!そんなんじゃないよ!フレデリックは…」
絨毯の上で地団駄を踏んでいると、ノックもなしに部屋のドアが開いた。
「…やっぱりここにいた。オスカー…」
フレデリックが大人びた紺のベルベットのガウン姿で、顔を覗かせる。
アルフレッドがあからさまにむっとした顔をする。
「オスカーに何の用⁈」
それには答えず、フレデリックはオスカーに話しかける。
「ホットワインを持ってきてくれないか。僕は枕が変わると寝つきが悪いんだ」
オスカーが答える前に、アルフレッドがズカズカとフレデリックの前に近づき、言い返す。
「そんなことは下僕に言いなよ!オスカーは忙しいんだから!」
フレデリックは形の良い唇を吊り上げ、皮肉めいた笑みを浮かべる。
「君にホットミルクとビスケットを持って来たりとか?まるでbebeちゃんだな。あとは絵本の読み聞かせもしてもらうのかい?」
アルフレッドが山猿のような奇声を上げて怒り狂う前に、オスカーがフレデリックの前に進み出た。
「かしこまりました。ではご一緒にまいりましょう」
「オスカー!」
怒髪天つく勢いのアルフレッドに、
「すぐ戻ります。お寝みのご準備をなさっていて下さい」
とオスカーは素早く告げて、得意げに笑うフレデリックと共に部屋を後にした。
後に残されたアルフレッドは羽枕をドアに投げつけ
「オスカーのバカバカバカ!」
と憤然と喚き散らすのだった。