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坊ちゃまと執事 〜或いはキャンディボンボンの日々〜
第3章 ドクター・アーレンベルグの恋
「…初めまして、アルフレッド。お会い出来て嬉しいよ」
青年は車からしなやかに降り立ち、出迎えていたアルフレッドに優しく声を掛ける。
…亡きソールズベリー伯爵の従兄弟、アンドレア・チェンバレンは眼を見張るばかりの美青年であった。
さらりとした髪の色は明るいプラチナブロンド、瞳は混じりっ気なしの空色、細く優美な鼻梁、形の良い唇の色は薄紅だ。
背はすらりと高く、細身ではあるが、ひ弱な印象はない。
均整のとれた素晴らしいスタイルをして、所作は優雅そのものだった。
人の容姿には興味がないオスカーですら、思わず見惚れてしまうほどの美貌と立ち姿、そして上品な物腰の持ち主であった。
アルフレッドはこの年上の美しい親戚をすっかり気に入った様子で、上機嫌で握手をした。
「初めまして。チェンバレン卿。お眼にかかれて光栄です」
オスカーに何度も練習させられた挨拶も難なくこなした。
アンドレアは可愛らしい挨拶に破顔し、
「アンドレアと呼んでくれ、アルフレッド。僕には君くらいの弟がいてね。今はラグビー校に通っているから、なかなか会えなくて…君くらいの少年が可愛いくて仕方ないんだ」
気さくに話しかけた。
そして、お付きの侍女の手を借りながら車から降り立った婚約者を振り返る。
「…紹介しよう。私の婚約者、レディ・セシリア・ハニーチャーチ。…ハニーチャーチ男爵の末娘だ。アルフレッドのお母様とは遠い親戚らしい。一度、こちらに伺ったことがあると汽車で話していたよ」
レディ・セシリアは、極上の白いレースのドレスを清楚に着こなし、美しい羽飾りがついた白いボンネットを被っていた。
年の頃は二十歳。白い百合の花のように清らかな乙女だ。
レディ・セシリアは白いレースの手袋をつけた小さな手をアルフレッドに差し伸べる。
「…初めまして、アルフレッド。…まあ、お母様のレディ・イーディスにそっくりだこと!」
レディ・セシリアは優しくアルフレッドを抱きしめ、頬に軽くキスをする。
「…昔…まだレディ・イーディスが伯爵家に嫁がれた頃、一度だけお会いしたことがあるの。…本当に仲の良い素晴らしいご夫妻でいらしたわ」
…お伽話の王子様のような容姿のチェンバレン卿と、清らかで愛らしいレディ・セシリア…。
まるで絵に描いたようなカップルだ…。
オスカーは心から感心した。
青年は車からしなやかに降り立ち、出迎えていたアルフレッドに優しく声を掛ける。
…亡きソールズベリー伯爵の従兄弟、アンドレア・チェンバレンは眼を見張るばかりの美青年であった。
さらりとした髪の色は明るいプラチナブロンド、瞳は混じりっ気なしの空色、細く優美な鼻梁、形の良い唇の色は薄紅だ。
背はすらりと高く、細身ではあるが、ひ弱な印象はない。
均整のとれた素晴らしいスタイルをして、所作は優雅そのものだった。
人の容姿には興味がないオスカーですら、思わず見惚れてしまうほどの美貌と立ち姿、そして上品な物腰の持ち主であった。
アルフレッドはこの年上の美しい親戚をすっかり気に入った様子で、上機嫌で握手をした。
「初めまして。チェンバレン卿。お眼にかかれて光栄です」
オスカーに何度も練習させられた挨拶も難なくこなした。
アンドレアは可愛らしい挨拶に破顔し、
「アンドレアと呼んでくれ、アルフレッド。僕には君くらいの弟がいてね。今はラグビー校に通っているから、なかなか会えなくて…君くらいの少年が可愛いくて仕方ないんだ」
気さくに話しかけた。
そして、お付きの侍女の手を借りながら車から降り立った婚約者を振り返る。
「…紹介しよう。私の婚約者、レディ・セシリア・ハニーチャーチ。…ハニーチャーチ男爵の末娘だ。アルフレッドのお母様とは遠い親戚らしい。一度、こちらに伺ったことがあると汽車で話していたよ」
レディ・セシリアは、極上の白いレースのドレスを清楚に着こなし、美しい羽飾りがついた白いボンネットを被っていた。
年の頃は二十歳。白い百合の花のように清らかな乙女だ。
レディ・セシリアは白いレースの手袋をつけた小さな手をアルフレッドに差し伸べる。
「…初めまして、アルフレッド。…まあ、お母様のレディ・イーディスにそっくりだこと!」
レディ・セシリアは優しくアルフレッドを抱きしめ、頬に軽くキスをする。
「…昔…まだレディ・イーディスが伯爵家に嫁がれた頃、一度だけお会いしたことがあるの。…本当に仲の良い素晴らしいご夫妻でいらしたわ」
…お伽話の王子様のような容姿のチェンバレン卿と、清らかで愛らしいレディ・セシリア…。
まるで絵に描いたようなカップルだ…。
オスカーは心から感心した。