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坊ちゃまと執事 〜或いはキャンディボンボンの日々〜
第3章 ドクター・アーレンベルグの恋

「…アンドレア…⁉︎」
裸の彼自身を爆発させたアンドレアに驚き、声も出ないリヒャルトの手を強く振り払い、反撃するかのように彼の貌を引き寄せる。
空色の瞳には強い憎しみの色のみ滲んでいた。
「…君なんか、大っ嫌いだ‼︎」
言い放つとリヒャルトの唇を荒々しく奪う。
「…嫌いだ…大嫌いだ…大嫌いだ…」
くちづけの合間に罵る言葉はまるで愛の囁きの音色だ。
リヒャルトはアンドレアを強く抱きしめる。
「アンドレア…アンドレア…!」
リヒャルトは甘く激しくアンドレアの唇を奪い返す。
「…嫌いだ…嫌いだ…今頃…どうして私の前に現れた…。
どうしろというんだ…三年だ…三年かかって…やっと…やっと…君を忘れられたのに…!」
アンドレアの涙と慟哭は全てリヒャルトのくちづけに飲み込まれる。
「…もういい…もうわかった…何もいうな…。
…私が…私が悪かった…」
幼子を宥めるようにアンドレアの美しい金髪を優しく撫でる。
「…私はずっと君を想っていたよ。三年経ったが、君のことを忘れた日はただの1日もなかった…」
「リチャード…」
愛しげに美しい頬を流れる涙を拭ってやる。
「…私のことをリチャードと呼ぶのも君だけだ…」
静かに微笑みながら、抱き締める。
記憶の奥底からアンドレアの薫りが蘇る。
水仙のようにひやりとした懐かしい薫りだ。
「…君が家を継ぎに帰国すると告げたあの時、君をもっと強引に引き止めれば良かったと何度も後悔した。
手放すべきではなかった…」
アンドレアは首を振る。
「いいや…。あれで良かったのだ。…もしあのまま一緒にいたら…私達は憎しみ合い、傷つけ合い、最悪の別れを迎えていたことだろう…。
だから後悔はしていない」
アンドレアはかつての恋人をじっと見つめる。
美しい金髪、青い瞳、華やかな容姿に似ず変わり者の若き医師だった。
パリのカフェドゥ・マゴでアンドレアに声をかけてきた。
「…君は私の魂の半身だ。…恋人になってくれ。さもなければ私は死を選ぶ」
真紅の薔薇を差し出しながら…
…頭がおかしいと思った…。
アンドレアは思わず笑みを漏らした。
「…なんだ?思い出し笑いか?」
優しげに貌を覗きこむ仕草は昔と全く変わっていない。
「君は最初からイカれていた…」
わざと揶揄うように言い放つ。
拗ねたような貌…。
アンドレアは優しく笑いかける。
「…だが、愛していた…」
裸の彼自身を爆発させたアンドレアに驚き、声も出ないリヒャルトの手を強く振り払い、反撃するかのように彼の貌を引き寄せる。
空色の瞳には強い憎しみの色のみ滲んでいた。
「…君なんか、大っ嫌いだ‼︎」
言い放つとリヒャルトの唇を荒々しく奪う。
「…嫌いだ…大嫌いだ…大嫌いだ…」
くちづけの合間に罵る言葉はまるで愛の囁きの音色だ。
リヒャルトはアンドレアを強く抱きしめる。
「アンドレア…アンドレア…!」
リヒャルトは甘く激しくアンドレアの唇を奪い返す。
「…嫌いだ…嫌いだ…今頃…どうして私の前に現れた…。
どうしろというんだ…三年だ…三年かかって…やっと…やっと…君を忘れられたのに…!」
アンドレアの涙と慟哭は全てリヒャルトのくちづけに飲み込まれる。
「…もういい…もうわかった…何もいうな…。
…私が…私が悪かった…」
幼子を宥めるようにアンドレアの美しい金髪を優しく撫でる。
「…私はずっと君を想っていたよ。三年経ったが、君のことを忘れた日はただの1日もなかった…」
「リチャード…」
愛しげに美しい頬を流れる涙を拭ってやる。
「…私のことをリチャードと呼ぶのも君だけだ…」
静かに微笑みながら、抱き締める。
記憶の奥底からアンドレアの薫りが蘇る。
水仙のようにひやりとした懐かしい薫りだ。
「…君が家を継ぎに帰国すると告げたあの時、君をもっと強引に引き止めれば良かったと何度も後悔した。
手放すべきではなかった…」
アンドレアは首を振る。
「いいや…。あれで良かったのだ。…もしあのまま一緒にいたら…私達は憎しみ合い、傷つけ合い、最悪の別れを迎えていたことだろう…。
だから後悔はしていない」
アンドレアはかつての恋人をじっと見つめる。
美しい金髪、青い瞳、華やかな容姿に似ず変わり者の若き医師だった。
パリのカフェドゥ・マゴでアンドレアに声をかけてきた。
「…君は私の魂の半身だ。…恋人になってくれ。さもなければ私は死を選ぶ」
真紅の薔薇を差し出しながら…
…頭がおかしいと思った…。
アンドレアは思わず笑みを漏らした。
「…なんだ?思い出し笑いか?」
優しげに貌を覗きこむ仕草は昔と全く変わっていない。
「君は最初からイカれていた…」
わざと揶揄うように言い放つ。
拗ねたような貌…。
アンドレアは優しく笑いかける。
「…だが、愛していた…」

