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蜜愛~男になった女~
第3章 【白桜記】 其の三・巡る想いは
「桜も散った。今年の花の季節も終わりだな」
 典姫とお美代が庭に降りたのを見届けたように、信頼が呟いた。眩しい陽光が庭に溢れている。卯月もそろそろ終わりだった。
「あの桜は不思議だ。城下の桜という桜が散り始めた頃に咲き始めて、半月以上もの長きにわたって花をつけている。そう申せば、そなたと野駆けに出た折に見た桜もあの樹と同じものやもしれぬ」
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