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荊の国
第2章 遼とケイン
パシ~ン!
最後の強烈な一打の後、群衆が待ち望んだのは、
仕上げのケインだった。

それはケイン氏ではなく、公の懲罰官が担当した。
プロの方が通常痛いという。それも100打。
普通の国ではない異常な多さだ。

整形手術で、もう十分痛い思いをしていたとはいえ、
遼は大きくて痛そうなケインを見て、目を潤ませた。
心なしか、ケイン氏はニヤッと笑ったように見えた。

ピシッ! あぁん! 1!
ピシッ! あぁん! ぐすん 2!
ピシッ! ああ… 
音の度に、綺麗なお尻に赤い蚯蚓腫れが刻まれていく。

「デモンストレーションか。大したものじゃないな」
ケイン氏は、ケインの強さに不満を漏らした。
十分痛いのに… 遼は思っていた。

100打が終わり、ぐったりした遼は拘束を解かれた。
そして、抱きかかえられるようにして、車へと向かった。
赤い大きなオープンカーだ。

遼は、後部座席に座ったケイン氏の膝の上に抱えられた。
嫌な予感…

当然の様に、ケイン氏は裸の腰に手を回し、ケインの痕に指を滑らせた。
「ああっ、痛い!」
「当然だ!」 パシ~ン! 
ケイン氏の大きな平手がお尻を打った。
「数を数えろ!」 パシ~ン!
「あ…1」
パシ~ン! 「2」
パシ~ン! 「3」

車が動き出した。
遼は周りを見回した。パレードのようだ。

見せしめに、大通りをのろのろ走らせながら、
遼はお尻を嫌という程叩かれ続けた。

それは、30分後、家につくまで続いたのだった。
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