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凍てつく湖
第2章 ブラックボックス
「で、爺さんの条件は何だ?」
改めて楠木が聞く。
「まずは顔出しOK」
「ほう!そいつは結構な覚悟だ!まっ、現実無理だろうがな」
確かに、浜辺は笑う。
「そしてこちらからの質問は一切NG。そして関係者の一部は仮名にて話すとの事だ」
「ん?一部、、つまり本名も出るんだな?」
「、、だな。そしてスタジオ内には三名のみ。つまり楠木、山脇、当事者渡辺三郎の三名だ」
「直々の御指名は光栄だと一応言っておこうかな?」
楠木は笑う。
「因みに渡辺は既に会長職を辞任しているとの事だ」
「おっ!全てを捨てたかぁ!」
「、、かもな。それともう一つ。これが妙というか、イヤーモニターもNGだ」
「イヤーモニター?って、あの、、」
楠木は自らの右耳を指す。
「そう。そのイヤーモニターだ」
浜辺は頷いた。
「爺さん知ってるねぇ」
「実は渡辺自身から確認して来たんだよ。撮影映像はそのままライブでモニター室に配信されるのか?とね。だからイエスと答えた。で、結果この条件が出た」
「ふーん。別に構わないが、、」
「もちろん理由を尋ねたがダンマリだ。ただ、、事件が少しずつ明るみになればこっちサイドも事件の全容をネット検索するのを見越しているんだろう。つまりこちらからはその詳細な情報は伝えられないし指示も出来ない。つまり楠木と山脇はある意味で情報の密室状態の手探りになる。もちろん本当の鍵は掛けないがな」
浜辺は笑った。
「爺さんの告白のみが頼りかぁ、、」
楠木は宙を睨みニヤッっと笑う。
「いいねぇ!上等だよ!その方が面白い」
まさにドキュメンタリーの面目躍如だ。
「、、ただブラリと立寄った感じではない。クノールという会社もそれなりに調べているんだろう。スタジオの存在も知っていたしな。きっとうちが過去に製作したドキュメンタリーも観ている筈だ」
「用意周到か」
「隙を見せれば上手く利用される可能性もある。印刷会社とはいえ、そこそこの企業を立ち上けだ人物だ。奴が話す事全てを鵜呑みには出来ない」
「面白いな。で、社長はOK出したんだろう?」
「ふたつ返事だ。会議が終わり次第こっちに向かう」
「相変わらずだな。ただ俺にも条件がある」
「なんなりと!」
「爺さんの身体検査は徹底してくれ。毒でもばら撒かれたら洒落にならん」
楠木は笑う。
「問題ない。奴の手土産も誰一人手を付けてないよ。さすがに怖いからな」
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