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凍てつく湖
第2章 ブラックボックス
 過去にクノールはかなりの数のドキュメンタリー番組を制作、くつかの賞を受賞した実績もある。
その数ある中には今回のような告白のみの番組もあった。いずれも通称 ブラックボックス と呼ばれる黒を基調とした自前のスタジオでの収録は行われ対面方式を取りカメラマンは双方の表情を交互に収録する。ナレーションはなく進行役の楠木はかなり大袈裟に煽り、憤り、時に同情または非難を辞さない。ゆえにドキュメンタリーマニアにはかなり有名な存在で 楠木タイマンシリーズ などと呼ばれている。
 番組自体は基本的には権利共々テレビ局に売却または売れない場合には自社動画サイトへと流す。
だが、あまりに危険かつ信憑性がない映像はお蔵入りで全くの無駄な浪費となった場合も少なくはない。

過去に楠木、浜辺もまたいくつかの告白という胸の内を目前、ライブで聞いている。分かった事は人間は簡単には胸の内を曝け出せない、更に都合の良い補正を掛ける。そして秘密を抱えて生きるという事は想像以上に難しい、という事だ。
「ったく!ペラペラと!最後まで自分勝手な奴だな!」
過去に社長神谷が幾度となく吐き捨てた一言が今二人の胸に去来する。そう、そこに正義感などは微塵も存在しない。自己満足だ。
 「で、誓約書にはサインしたのか?」
楠木が確認する。
「あぁ、因みにノーギャラだ」
「そいつはいいね。ただ俺はそうは行かんぞ」
そして笑う。
「実は気になる事がある」
「何だよ」
「渡辺はうちとの関係を取材した縁だと言った。だがな、渡辺印刷は過去に四回もテレビのニュースで報じられているんだ。いずれも福祉の関係でな。全国紙だって報道しているんだよ」
浜辺はスマホをスクロールして楠木に見せた。確かに過去の報道や記事はホームページに載っている。
「つまり何故ゆえにうちだけ縁を感じたのか、、と」
「そうだ」
「で、本人には聞いたのか?」
「いや、そこは敢えて聞いてない。こちらの手の内は見せるような気がしてな。いざとなれば切り札になりうる場合もあるからな」
「相変わらずだな。まっ、やっこさんは末期の病か?あるいは告白せざる得ない何らかの不都合が生じたのか?いずれにせよ、普通に考えれば、、」
「何だよ?」
「いや、、いいんだ」
楠木は口を閉ざした。いらぬ疑いは思わぬところで手元を狂わせるからだ。
( 社内に事件関係者がいて脅された?)
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