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眩惑のディナーショー
第4章 三人目の御客様…どうぞ
椅子に座らされて後ろからアサドは耳元で囁く。
「どんなに忙しくてもロケット打ち上げ中止にしてでも今日は逢いにいくって決めてた…」
「……っ…」
いつにも増して優しい声音──
今日は本当に特別で最高な夜だ……
さっきまでの冷えきった心が嘘のように今は温かい。
目の前には美味しそうな料理が並んでいる。
テーブルの真ん中には前から注文していてくれていたのだろう。
二人で食べ頃サイズのとても彩りのいいフルーツタルトのケーキが置いてある。その回りにあるアロマキャンドルにアサドは火を付けていった。
明かりを落として目の前にアサドが腰掛ける。
「ささやか過ぎてすまない。プレゼントは明日二人で買いに行こう──…今夜はゆっくりと一緒に過したい」
「……っ…」
目の前で組んだ手を口に当ててそう言ったアサドの笑みが少し照れくさそうで、snowはまたアサドのその表情に涙が滲んだ。
「あたしもせっかくここまでアサドがしてくれたのにこんな格好でごめんなさいっ…」
顔を泣き崩すsnowをアサドは嬉しそうに見つめている。
「泣くなら嬉し泣きにしてくれよ、ケーキの真ん中をsnowにやるから」
そう言ってアサドは丸いケーキを四角に器用にカットしていくとフルーツタップリに盛った真ん中をsnowの皿に置く。
「──……」
snowは涙を止めて目を見張った。