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眩惑のディナーショー
第13章 福袋 [松]
「はい、じゃあ菜々さん…おかえりのちゅう」
薄暗い部屋、布団に埋もれながら催促する夏希の唇が前に付き出す。
菜々はその仕草にぷっと笑いながら真似をして口を付きだし軽くキスをした。
ちゅっと吸い付く音がして直ぐに離れる。
「短っ…」
あまりの略式ちゅうに夏希は口を開けて声を上げていた。
菜々はそんな夏希にクスクス笑っている。
「ダメじゃんっそんな手抜きなやつっ…」
「手抜きじゃないよ」
「手抜きだよそんなのっ…だいたいどれだけ待ってたと思ってんの俺がっ…」
「どんだけ待ってたの?」
「……12分」
「短っ…」
応えた夏希に今度は菜々が同じ返しをしていた。思わず目を見開いて見つめぷぷっと互いに笑い合う。
夏希は笑いが治まるとまた菜々をぎゅっと抱き締めてきた。
優しく包み込まれ、人肌の温もりに癒される……
布団の中は暖かくて気持ちがよく、冷えた身体は直ぐに強張りもほどけ、抱き締められる感触を味わうように菜々は夏希の胸に頬を埋めた。