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眩惑のディナーショー
第16章 花魁道中
「菖蒲っ! 早く支度をおしっ…」
血相変えて突然そんなことを言う。
「支度ってなんの…」
「ばかっ! 支度といったら支度だよっ! 床に上がる支度っ…」
「え──…」
「九重姉さんが頼んであんたの床師をアサドの旦那様が買ってでてくれたんだよっ! 」
「ええっ!?」
「失礼のないようにしっかり教えて貰いなよっ!教えてくれる上に花代も弾んでくれるらしいからね、頑張りな」
有無を言わさず菖蒲に支度を促すと、お多江はご機嫌な様子で立ち去っていった。
そんなっ──…
と、床師なんて……っ
※床師 初めてでも客を喜ばせる技術を身に付けさせる、教育係りのような人。
菖蒲は戸惑いながらも禿達に急かされて床に上がる準備を強引にすすめられていた。
菖蒲は簡単に湯あみを済ませ、赤い腰巻きに赤い襦袢を着付ける。
そして下唇にちょんと紅を差し、アサドが待つ部屋の前に通された。
菖蒲は廊下に三つ指をついて襖の前で頭を提げる。
「支度できましてございます……っ…」
菖蒲は何気に緊張で声を上擦らせていた。
血相変えて突然そんなことを言う。
「支度ってなんの…」
「ばかっ! 支度といったら支度だよっ! 床に上がる支度っ…」
「え──…」
「九重姉さんが頼んであんたの床師をアサドの旦那様が買ってでてくれたんだよっ! 」
「ええっ!?」
「失礼のないようにしっかり教えて貰いなよっ!教えてくれる上に花代も弾んでくれるらしいからね、頑張りな」
有無を言わさず菖蒲に支度を促すと、お多江はご機嫌な様子で立ち去っていった。
そんなっ──…
と、床師なんて……っ
※床師 初めてでも客を喜ばせる技術を身に付けさせる、教育係りのような人。
菖蒲は戸惑いながらも禿達に急かされて床に上がる準備を強引にすすめられていた。
菖蒲は簡単に湯あみを済ませ、赤い腰巻きに赤い襦袢を着付ける。
そして下唇にちょんと紅を差し、アサドが待つ部屋の前に通された。
菖蒲は廊下に三つ指をついて襖の前で頭を提げる。
「支度できましてございます……っ…」
菖蒲は何気に緊張で声を上擦らせていた。