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眩惑のディナーショー
第17章 *読者様感謝祭*
「この降り方じゃ、いつ止むかわからないな……」
アサドは愛美に背を向けたまま、外の様子を口にする。
洞穴の入り口では降り止まない雨がカーテンのように滴り落ちる。
アサドは少し参ったように溜め息を漏らしていた。
止むどころか雨はますます強くなっていく。
雷雨を伴い叩き付けるように降りだして辺りを一層暗くした。
遠くではゴロゴロと唸りを響かせている。
大人しくなりそうもない空の様子にアサドが二度目の溜め息を付いた時だった。
「きゃーっ」
「……っ…」
激しい雷鳴に驚いて悲鳴を上げた愛美はアサドの背中にしがみついていた。
稲光が走り、地鳴りが身体に伝わってくる。
雷と愛美の悲鳴に驚きつつも、アサドは身動きが取れずにいた。
互いに濡れて張り付く衣服を隔てながら、愛美の柔らかな感触が背中にしっかりと押し付けられている。
引き締まった腰に巻き付く愛美の細く白い腕。
アサドはそれを外す事ができず、自分の手のやり場を探した。