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神様のいない世界
第4章 躾
会話もない食卓に、食欲のない和隠は3貫食べて手が止まる。
もちろん食欲がないからだけではなく、この生活に食欲が沸く訳もない。
誕生日に親に捨てられ、行方すらわからない状況の上、ヤクザに拉致られ、犯され続ける生活がいつまで続くかもわからない先の見えない生活なのだ。
「食わないのか?寿司は嫌いか?」
宗高は箸が止まった和隠にそう聞くと、和隠は首を振って手を伸ばした。
家族でテーブルを囲んでお寿司を食べるのはお正月だけ。誰がいくらを食べたとか、トロは一人一貫だけだとか、騒がしく食べていたことを思い出すと苦しくなるのだ。
もちろん食欲がないからだけではなく、この生活に食欲が沸く訳もない。
誕生日に親に捨てられ、行方すらわからない状況の上、ヤクザに拉致られ、犯され続ける生活がいつまで続くかもわからない先の見えない生活なのだ。
「食わないのか?寿司は嫌いか?」
宗高は箸が止まった和隠にそう聞くと、和隠は首を振って手を伸ばした。
家族でテーブルを囲んでお寿司を食べるのはお正月だけ。誰がいくらを食べたとか、トロは一人一貫だけだとか、騒がしく食べていたことを思い出すと苦しくなるのだ。