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神様のいない世界
第1章 運命
「てめぇは往生際が悪りぃんだよ!!」


和穏を怒鳴る善に、前の車に乗り込む相田が言う。


「煩けりゃ、寝てもらえ」


和穏の耳にも届いたその言葉に、身震いをした。

痛いはずのおでこも気にならず、ドアに背中をつけ嫌だと首を振る。

何処に連れさらわれるかも分からないこの状況で、意識を飛ばしたら帰れない。それどころか、警察にすらいけない。


「っやだ!!」


「大人しくしてりゃ良いんだよ」


「わっ分かったから、大人しくするから!!」


善が誰かから渡されたスタンガンを持って、乗り込んでくる。


本気?!
無理だから!!


必死にお願いをするものの、善は和穏の言う事に耳もかさずに腕を掴かんだ。大人しくしてるはずもないし、連れて行く場所を知られるのもまずいからだ。

その手を必死に剥がそうとするが、男達からすれば非力な小娘で、そのまま引っ張られれば、善の太ももに身体が乗った。


「っひゃ!!」


その瞬間、首元にスタンガンを押し付けられ、衝撃と共に目の前が白くなり意識を飛ばした。
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