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神様のいない世界
第6章 関係
「宮川さんに会いたいと来ている子がいるんです」


「分かった、今から向かうからそこで待っていろと伝えてくれ」


宮川に電話をしたママの言葉に『政安だ』と直ぐに分かり、詮索してこないママにそう言って店に向かったのだ。


宮川が店に入ると、政安はばっと立ち上がりその場から動けずに見つめるだけ。

会いたかった、迎えに来て欲しかったのに宮川がそうではなかったと思うとどうしていいのかわからなかったのだ。


「飯は食ってるのか?成長期の2年ならもう少し大きくなっててもいいんじゃないのか?」


そう言って政安の前に立った。


「大きくなってたら、俺に気づいてくれないかもしれないじゃん」

「ははっそれもそうか」


そう笑った宮川がソファーに座ると、政安もちょこんと座った。

実際、政安の行動は舎弟に見張らせていた。認知はされていなくとも山城組の組長の息子であり、夜な夜なで歩いていればヤクザの衝突に巻き込まれない保証もなかったからだ。
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