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神様のいない世界
第1章 運命
車が止まるたびに着いたのかとビクビクするものの、また走り出して安心すると同時に不安になる。


このまま山に置き去りとか……
海に投げ捨てられるとか……

そういうのじゃないよね?!


親に捨てられて酷く絶望したのに、やっぱり死ぬのは怖いもので、また暴力団だと思われる人達の事も、やはり怖いのだ。


数回停車しては動いてを繰り返していると、サイドブレーキを上げる音がした。


「着いたぞ」


善の声を聞き、到着したのだと知れば直ぐにドアを開ける音が2回する。

松井が先に降りて、善の座る後部座席のドアを開けたのだ。


「兄貴、どうぞ」


松井の声に善は反応した後、和穏を引っ張り出して肩に担いだ。


「んー……んー……」


チャンスは今しかない。


口いっぱいにタオルを詰め込まれ、その上から何重にもガムテープで塞がれてるものがから、唸る事しかできない。
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