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神様のいない世界
第8章 贈り物
「今日は中華にするね!!」


鼻歌を歌ってキッチンに立つ和隠を善は小馬鹿にするように鼻で笑った。

いつの間にかに機嫌の治った和隠は子供かと思う位あっけらかんとして、日中にあった事も感じさせない雰囲気を纏っていた。

少し痛々しさもあるが、本人の苦しみを自分が分かるとも思わない善は、放っておくことしかできないこともよくわかっている。


「今日は帰りの時間を聞かなくていいのか?」

「……善が聞いてよ」

「だから、何で俺が聞くんだよ、お前が夕食作るんだろ?!」


善が飽きれてそういうと、和隠は舌打ちをするので、善も弄っとしつつ握った拳を『平常心、平常心』と言い聞かしていた。

そこに善の携帯が鳴る。


「噂をすれば若からだ」


善はそう言って和隠に携帯を押し付けた。


「なんで私に渡すの!!善にかかってきたんでしょ?!」

「いいから出ろよ、切れちまうだろ!!どうせ帰りの時間だろ?」
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