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神様のいない世界
第8章 贈り物
「え?!帰るの?!ご飯用意したのに」


和隠はすぐに荷物を取りに行く善を見てから振り返って三浦に言った。その三浦は頷いていた。


「今日はお二人でお食事して下さい。私達は失礼しますので」

「若頭、失礼します!!」


善は直角に頭を下げるとそそくさと玄関に向かって行った。


酢豚を作っている時『それ好きなんだよ!!』と言っていたのに!!


置いていかれるさみしさに目で追っている和隠の腕を掴んだままの宗高に、善は振り返って言った。


「それと、若頭に何か話したい事があるみたいでしたので聞いてやって下さい。それではお休みなさい」


善は言い捨てのようにそう言ってドアを閉めた。


「話したい事か?」


頭上から降って来たその言葉に和隠はゆっくりと顔を上げた。
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