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神様のいない世界
第8章 贈り物
そんな和隠を見た宗高は、軽く笑って手招きをした。

和隠は何かが見えるのかと思って呼ばれるままベランダに出ると、宗高に頭を撫でられキスをされた。

タバコの香りのするそのキスは和隠にとって不快なのに、ゆっくりと離れる宗高の表情を見たら、唇が離れるのがさみしくも思えていた。


憎む相手を……
好きにはなりたくない。


「部屋、入るか」


宗高に背中を押されて戻ると、宗高はソファーに座りビールを飲んでいたので、和隠は冷蔵庫からおつまみを出して運んだ。


「一応作って見たんですよ?飲まないですけど、おつまみは好きなんです」


笑って宗高に出すと、その和隠の頬に触れた。


「顔、赤いぞ?」

「お風呂、上がりだから」


意地悪そうに笑った宗高を恨めしそうに見上げた和隠の腕を掴み引き寄せると、恥ずかしくなった和隠が目を逸らす。
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