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神様のいない世界
第8章 贈り物
「なぁ和隠」

「は……はい?」


引き寄せただけで耳まで赤くなる和隠を、宗高は笑を堪えながら耳元に唇を寄せた。


「ビール持って来て」


そう言って手を離すと、ゆっくりと和隠は宗高を見た。


「せっかくおつまみ作ってくれたなら、もう少し飲もうかと思って」


宗高は空になった缶をくしゃっと潰して笑顔を見せるので、和隠はさっと立って冷蔵庫に向かった。


今の、絶対嫌がらせだ!!
私が動揺するの見て楽しんでたんだ!!


宗高の息がかかった耳を押さえて冷蔵庫からビールを持って戻り目の前に差し出すと、宗高は軽く笑って和隠の手ごと握った。


「座ったら?」

「言われなくとも!!」


勢い良く座る和隠が不機嫌そうな顔をするのも可愛いく思える宗高は、そんな自分が笑えて来た。


「ふふっ」

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