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神様のいない世界
第8章 贈り物
「だって、殺されるかもしれないでしょ?」

「誰に」


宗高の言葉に和隠は口を閉ざした。


「俺にか?」

「……若頭以外にもいろいろいるでしょ?私が沢口って人の娘なら、敵対する組だっているんでしょ?」

「お前を殺すために閉じ込めてるわけじゃない」

「じゃ……脅すため?」


和隠はまっすぐ宗高を見ると、宗高は和隠の肩を掴み引き寄せ、唇に噛み付くようにキスをした。


「誰にも奪われないように囲っているんだ」


宗高は自分の気持ちの自覚から素直な気持ちで言葉にしたが、和隠に通じるわけもない。

初日に『駒』と言われ、それはずっと心に残っている。


私が誰かに奪われると、沢口組を手中に収める手段を他に譲ることになるから。
だから外にも出さずに機会を待ってるのか。
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