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第8章 贈り物

再確認のように思い知らせれた和隠は、やはり自分を人として必要に思ってくれる人はいないのかとさみしく思った。

善の話ぶりでは、宗高が少し自分に情を抱いてくれているのかとも取れるような気もしたし、ベランダでのキスも優しく恋人にするような感じだと思ったのだが、それは自分の思い上がりだと突き付けられた気になった。


この人は人を愛する人ではないのだろう。


宗高を見つめた和隠はそう考えると胸が締め付けられた。


じゃ、なんで欲しいものを聞いたり買ってくれたんだろう？
放っておいてももう逃げる気もないのに。

行く当てもない和隠の居場所になってくれるわけではないことはわかっていても、心の何処かで『連れ戻すくらいなんだから』そばに置いてくれるんだろうと期待もあったのだ。