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第9章 新事実

宗高は苦笑した。
女の敵は女だというのは身に染みて分かっているし、キャバクラやクラブの裏事情は仕事上散々見てきているのだ。


「昔から器量よしだって可愛がられてて、店でも直ぐにナンバーに入ったの。夜の商売は女同志の戦場。宗高さんだって知ってるでしょう？悔しくて直ぐに追い出したのよ、それからは音信不通だったの」

「……音信不通だったのに、なんで沢口の娘だって知ってたんだよ」

「店を追い出した後、沢口組が管轄している店に行ったことは夜の世界にいれば誰だって耳にしてるわよ、店でナンバーついてたんだから。向こうの店でも直ぐにナンバー入りしたって、それから一度街で見かけたのよ、沢口さんの車に乗って行くのを。あの子はそうやってみんなに愛されるのよ、娘もそっくりよ」