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神様のいない世界
第2章 陵辱
駒……


和穏は宗高と眼を合わせ、その言葉を聞くとそれが酷く引っかかった。

自分が駒になるほどの『何か』を持ってるわけでもなく、知っているわけでも無い。

どの様に駒にさせれるのか、それだけの価値があるのかと不思議でならなかった。


「沢口を配下に治められる様な破壊力のある……な?」


そう言った宗高は、組んでいた脚を広げ屈みこんで和穏に手を伸ばし、自分の膝の間に引っ張り起こすとまじまじと和穏の顔を見た。


「っふは、突然変異か?全然似てねぇな」


宗高に笑われて、和穏は睨みあげた。

実際、和穏は両親に似ていない。両親が不細工な訳では無いが、和穏が飛び抜けて洗練された容姿をしていたのだ。


授乳時写真だって何枚もあったし、へその緒だってあった。
何度も引越しをしたせいで、母子手帳は無くしちゃったと落ち込むお母さんをなだめた事だってあったもん!!


まわりの嫉妬でそうからかわれた事だって少なくは無く、落ち込んで帰って来る和穏を母の真由 (まゆ) は、可愛く産み過ぎてごめんねと笑い、父の公平 (こうへい) も、お礼に何か贈ろうかと爆笑した。


「んーんんんん、んんんんっ!!」


私達は家族だ!!
バカにするな、侮辱する奴は許さない!!
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