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神様のいない世界
第9章 新事実
和隠は寝室に入るとベッドに倒れるように横なった。

キングサイズの広いベッドに両手を広げても両端に手は届かない。


「こんなに広かったんだ」


宗高に一人寝を言い出され、改めてベッドの広さを感じていた。

仰向けに寝返りを打ち、胸に手を当てた。
気持ちの整理という言葉が頭から離れないのだ。


考えたからって答えは出てくるはずもない。
考えるだけでは、この生活から抜け出せないし、元には戻らないのだから。

宗高によって沢口に会わされるまで。

考えれば考えるほど淋しくて切なくて悲しくなるのだ。
好きになってはいけない人なのに、宗高しか頼る相手がいない。

怖いのに優しい手が、自分と一緒にいてくれる証拠で、でも本当に私の居場所をつくってくれる人じゃない気がするのだ。

甘えることが怖くなっているのは、17歳の誕生日から今日まで色々なことがありすぎたからだ。

和隠は歪む視界の中、寝室のドアを開けた。


リビングには明かりが着いていて、ゆっくりとドアノブを捻った。
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