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神様のいない世界
第9章 新事実
「気持ちの整理は出来たか?」

「……それって、聞く準備が出来たかって事?」

「それもあるし、もう馬鹿なことはしないって事だ」

「馬鹿な事……」


お風呂の一件を言っているんだと、和隠はゆっくりと床に座った。


「お前は、俺より先に死なねぇんじゃなかったのか?」


宗高に視線を移すとひどく冷め切った表情をしていて、目を反らせなくなっていた。

連れて来られた日、確かに和隠は言ったのだ。
『私が殺してやる』と。


「俺が死ぬまでお前は死ぬなよ?」


宗高はつまみには手を付けず飲み続けていた。
相当飲んでいるのは匂いでもわかるのに、全く酔っていない様に見える宗高の手を掴んだ。


「それなら、私が殺すまで死なないで一緒にいてくれる?」


お父さんは事故で死んだ。
お母さんも海も私の前から消えてしまって、私の実母も実父も私に会いに来ない。
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