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神様のいない世界
第2章 陵辱
「唇……切れたな?」


笑いながら唇に手を触れた宗高の手を払う様に、首を動かした和穏に周りの男達は息を呑んだ。

山城組家元の若頭である宗高に対し、知らずともその様な態度をすればただではいられない。


十代の頃に比べれば落ち着いたものの、気性の荒さは未だに健在で、女子供関係無く半殺しに出来るほどなのだ。

それをクスクスと笑う宮川は、山城組系宮川組の組長で有り、宗高の小さい頃から世話役として仕えていたので、宗高の気性を良く分かっている。

和穏にどう接するかも分かっていて、想像するだけでゾクゾクするくらいに楽しんでいたのだ。


「てめぇ!!」


宗高は和穏の髪を鷲掴むと、思いっきり往復の平手打ちを2度してから、和穏の口のタオルを抜いた。


「タオル抜いてから叩かなきゃ!」


そう笑う宮川に周りは顔を引き攣らせ、作り笑いをしていた。
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