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神様のいない世界
第10章 事件
宗高はエレベーターに和隠を押し込めると、階数ボタンを押して部屋のカードキーを投げつけた。
「戻ってろ」
酷く冷めた目で見下ろされて、和隠はドアが閉まるまで身動きが取れなかったが、直ぐに立ち上がり二階のボタンを押して、また非常階段を走り降りた。
「和隠!!」
「宗高さん、私も行く!!」
直ぐに宗高に見つかり怒鳴られるが、カードキーを握りしめた和隠は、宗高が支える善の反対側から支えた。
善の背中は血で赤く染まり、ねっとりとした生暖かい感触がして、和隠は不快感に眉間にシワを寄せた。
「若頭の……言う事を聞け」
苦しそうに話す善は、和を引き剥がすが、和隠は離す物かと善のTシャツを思いっきり掴んでいた。
ただ伸びるTシャツには酷く血が付いていて、もちろん和隠の手にもべっとりと付いていた。
「善、もういい。和隠も連れて行く」
宗高がそう言うと、再び善を支える小さくて頼りない細い身体の和隠に善は苦笑した。
「戻ってろ」
酷く冷めた目で見下ろされて、和隠はドアが閉まるまで身動きが取れなかったが、直ぐに立ち上がり二階のボタンを押して、また非常階段を走り降りた。
「和隠!!」
「宗高さん、私も行く!!」
直ぐに宗高に見つかり怒鳴られるが、カードキーを握りしめた和隠は、宗高が支える善の反対側から支えた。
善の背中は血で赤く染まり、ねっとりとした生暖かい感触がして、和隠は不快感に眉間にシワを寄せた。
「若頭の……言う事を聞け」
苦しそうに話す善は、和を引き剥がすが、和隠は離す物かと善のTシャツを思いっきり掴んでいた。
ただ伸びるTシャツには酷く血が付いていて、もちろん和隠の手にもべっとりと付いていた。
「善、もういい。和隠も連れて行く」
宗高がそう言うと、再び善を支える小さくて頼りない細い身体の和隠に善は苦笑した。