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神様のいない世界
第10章 事件
和隠も促されてソファーにちょこんと座り、未だに震える手を強く握りしめると、宗高の大きな手が和隠の頭を撫でた。


「怖かったか?」

「うん」

「……でも、その格好はねぇだろ?服はともかくスリッパでもなんでもいいから履いてこいよ」

「急いでたんだもん、それどころじゃないよ!」

「まぁ、これで分かっただろ?お前をマンションから出さない理由が」

「え?」

「マンションに張り込まれてんだよ、善が日中見張りしてるのも相手は知ってて襲ったんだよ。……マンションに誰を囲ってるのか……ってな?」

「……私……?」

「和隠の顔は知られていなかったから、検討もつかなかったんだろうが、もう遅いな?」

「知られたって事?」

「実行犯は一人だったが、一人だけで動くとは考えにくいんだよ、一応周りも探すように言ったが、もう知られただろうな?」

「じゃ……ベランダとかも不味かったの?」

「まぁ、写真は撮られていたかもな?」
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