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神様のいない世界
第10章 事件
マンションに帰ると、善には客室で安静にしてるように告げて料理を作り、レバーは嫌いだと言う善に無理やり食べさせた。


「体拭く?」


寝る前に様子を見に行った和隠はホットタオルを作って善の休んでいる部屋に行った。

弟の海が熱を出した時、ホットタオルを作って体を拭いてあげてたのを思い出したのだ。


『お姉ちゃん、面倒見てくれてありがとうね』
お母さんもお父さんもそう言って頭を撫でくれたのに、今はその手を無くしちゃったんだなぁ。


「あぁ、悪ぃな」


善は和隠からタオルを受け取り体を拭こうとするが、一瞬動きを止めた。


「背中だけ拭いてくれるか?あと、化膿止めも頼む。流石に手が回らねぇからよ」

「……あぁ、うん」


和隠は善の背中を拭いて、傷口に化膿止めを塗ってまたガーゼを付けた。


「すごい傷口だね?」

「そう言えば、こういうの平気か?」

「……初めて見たよ、グロテスクだね?」
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