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神様のいない世界
第10章 事件
和隠が見下ろしているのには気が付いていながら、宗高はベッドに横になったのだ。

だが、いつまでも寝ない和隠を見ると、眉間にシワを寄せて見下ろしているの和隠に手を伸ばし引っ張り寄せた。

勢いで布団に顔をつけた和隠に、宗高はため息を吐いた。


「一人で寝られないんだろ?」


宗高がそう言っても返事をしない和隠が、自分に不信感を持っていることにも気が付いて、話さなければ拭えないのだと口を開く。


「お前が沢口の娘でもそうでなくとも良かったんだ」

「え?」

「そう仕立てればよかったからな。本来は堅気を巻き込むのは良いことではないが、こっちも手を早いうちに打たなければいけなくてな」

「仕立てる……」


何を言おうとしているのかが理解できない和隠は、ただ宗高の言葉を待っていた。
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