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第10章 事件

宗高は和隠をそばに置きたいと思い、また和隠が『ずっと』と言ったのでその気持ちは強くなったのだ。

沢口の娘の話を宮川から聞いた宗高は、いい機会だと考えたのだ。

ヤクザに嘘の情報を流し、それが暴露たらただじゃいられないことを分かっての事だとも思っていたのだが、政安の持って来た写真の情報元がわからない。

本来なら探るのだが、そうはしなかった。

写真の娘が本物であろうと偽物であろうと、沢口を揺さぶるには十分のネタだからだ。

だが実際、和隠に会い、囲うようになると状況は変わったのだ。

『揺さぶるネタ』が『揺さぶられるネタ』に変わったのだ。