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神様のいない世界
第11章 移住
「和隠が心配するほどでもない、わざと言ってるんだから」


宗高がそう笑うと、三浦も笑い出した。


「心配させやがって、このための脂肪だったんだな?」

「三浦さんまで……これは70%は筋肉ですって」


昨日とは打って変わり、笑っても痛がる様子もない善に和隠は笑みを浮かべていた。


「善は抜糸するまでここで養生しておけ、和隠は親父のところで世話になる」

「分かりました」


和隠の背中を押す宗高と共に玄関に向かう和隠は、見送る善に小さく手を振ると、それに気がついた善は親指を上げて送り出した。

宗高の乗る車に乗り込んだ和隠は、腕を組んで座る宗高を恐る恐る見ると、それに気がついた宗高と目が合った。


「なんだよ」

「特に何でもないんだけど」


組長に会うのだろうと、どうしても気が重くなるのだ。
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