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神様のいない世界
第2章 陵辱
「……っそんなの、事実じゃないかもしれないじゃん!!」


面倒くさそうに説明した宮川の話に、ケチを付ける様に突っかかる和穏の顎を掴み上げたのは宗高だった。


「口の利き方に気をつけろや!!
事実かどうかはあんたの母親に聞けば分かるだろ?まぁ、逃げて行った時点でほぼ確定だろうがな。
山根も張ってた俺らに気付いて逃げたんだ。……ヤクザと見て逃げるってのは、やましい事があるって事だろ?あぁ?!」


ヤクザ見て関わりたく無いから避けたって事だってあるじゃん?!
普通に関わりたく無いし。


実際に和穏もドアを開けてぶつけたのにも関わらず逃げ様としたくらいなのだから。

だけど、話の端々にここまでに繋がる不幸を匂わせていて、急に不安になった和穏は声を震わせながら宗高を見上げた。


「それって……もしかして……お父さんの事故と関係あるの?」


和穏の質問に少し戸惑うものの、宗高は見上げられた眼から視線を外せずに、渋々答えた。


「……さぁな、追ってたこっちは見失ったんだから、山根が死んだのは俺らのせいじゃねぇよ」
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