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神様のいない世界
第2章 陵辱
ヤクザに囲まれても、叩かれても気丈に振舞っていた和穏だったが、とうとう決壊した。


「この……人でなし!!お父さんを返せ!!死ね、お前が死ね!!」


和穏は涙をボロボロと流し、宗高に暴言を吐いた。

少なからず父・公平の死に関わっているのは間違いないし、自分がここにいるのも、母親に置いていかれた事も、全てここにいる男達のせいであるのは間違いなくて、和穏は怒りをぶつけたのだ。


17歳の誕生日に、父親が違うだの言って思い出を壊そうとして、拉致や一家離散の全ての不幸の元凶は、あんた達だ!!


「殺してやる、死なないなら私殺してやる!!」


和穏が叫び泣くも、17の小娘に恐れるヤクザがいるはずも無く、逆に和穏が窮地に追い込まれるのだ。


「オイオイ、誰に物を言ってんだ?お前が俺を殺す?手足拘束されててどうやって?……それに、どう考えてもお前の安否は俺の手の中にあると思うぞ?」


宗高は今にも笑い出しそうな顔で和穏に言えば、視界のゆがむ和穏にもそれが見えた。

それが悔しくて、和穏の目の前にある宗高の手首に噛み付いた。
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