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神様のいない世界
第1章 運命
海のお気に入りのTシャツも靴下も残ってはいなくて、暇さえあれば「遊んで!」と持ってくるフィギアのおもちゃも無い。
「っあ、け、携帯!!」
膝が震えて上手く立てない和穏は、何度か転びそうになりながら、落としたカバンのところに行き、震えた手でカバンを開けようとした。
なかなか開けられなかったそのカバンからやっと携帯を取り出せば、圏外になっていた。
「どういう……こと?」
住宅地であるこの場所で圏外なんてあり得ない。あるとすれば……
「解……約……」
娘を一人置いて出て行くのだから、携帯を解約してもおかしく無いのだ。
そして、これが現実なんだと思い知らされた。
本当に……捨てられたんだ……
「っあ、け、携帯!!」
膝が震えて上手く立てない和穏は、何度か転びそうになりながら、落としたカバンのところに行き、震えた手でカバンを開けようとした。
なかなか開けられなかったそのカバンからやっと携帯を取り出せば、圏外になっていた。
「どういう……こと?」
住宅地であるこの場所で圏外なんてあり得ない。あるとすれば……
「解……約……」
娘を一人置いて出て行くのだから、携帯を解約してもおかしく無いのだ。
そして、これが現実なんだと思い知らされた。
本当に……捨てられたんだ……