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第1章 運命

自分の何が悪かったんだろう。

海の世話もしたし、ご飯の用意だって、家事だって手伝ってきた。土日にはバイトだって出てたのに、私だけ捨てられる理由は何なの？


帰って来た時は明るかった空も、だんだんと薄暗くなる。

日が伸びて来た夏、生まれて来たはずの誕生日に、親に捨てられた子供は、どうしたら良いのかもわからずに途方にくれていた。

父の事故死で大きく変わった環境は、たった17歳の和穏に『母と弟の失踪』という、更に大きな傷を残したのだ。

また、両親は実家とも疎遠だったため、この17年会ったこともない。そのため、本当に頼れる者が居ないのだ。