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神様のいない世界
第3章 境遇
和穏はやっと目が慣れて周りを見渡すと、隣に幼い男の子が寝ていて、『政安』がこの子だとすぐに分かった。
宗高は和穏が自分を見ずに政安を心配そうに見る目に嫉妬し、政安の髪を鷲掴んだ。
「んっ!!」
和穏は寝たばかりの政安を寝かせてあげたくて、宗高に首を振って止めさせた。
『小さなナイト』に守ってもらった和穏は、次は自分がこの子を守らなければと正義感でいっぱいだった。
政安の素性も、ここにいる理由も分からないが、同じ様に酷い目に合っている事だけはわかっている。
同じ境遇なら助けたい。
「っ何だよ、何か言いたい事でもあんのか?」
宗高は、鷲掴みにされて歪んだ表情を見せてもなお目覚めない政安から手を離すと、和穏の口を塞いだガムテープをゆっくりはがした。
皮膚を引っ張られ、赤くなる口元はヒリヒリして自然に涙が溜まった。
「この子……さっき寝たばかりなの」
「だから?」
「寝かせて……あげて」
宗高は和穏が自分を見ずに政安を心配そうに見る目に嫉妬し、政安の髪を鷲掴んだ。
「んっ!!」
和穏は寝たばかりの政安を寝かせてあげたくて、宗高に首を振って止めさせた。
『小さなナイト』に守ってもらった和穏は、次は自分がこの子を守らなければと正義感でいっぱいだった。
政安の素性も、ここにいる理由も分からないが、同じ様に酷い目に合っている事だけはわかっている。
同じ境遇なら助けたい。
「っ何だよ、何か言いたい事でもあんのか?」
宗高は、鷲掴みにされて歪んだ表情を見せてもなお目覚めない政安から手を離すと、和穏の口を塞いだガムテープをゆっくりはがした。
皮膚を引っ張られ、赤くなる口元はヒリヒリして自然に涙が溜まった。
「この子……さっき寝たばかりなの」
「だから?」
「寝かせて……あげて」