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神様のいない世界
第3章 境遇
和穏の懇願するる言葉に、宗高は一度大きく息を吸い、吐きながら和穏の顔の横に腰を降ろした。
「あげて、じゃなくて『あげてください』だろ?」
そう言いながら和穏の頬を軽く数回叩く。
見下ろす目は、怒りが治まらずにいる。
政安を気遣い心配する和穏が気に入らないのだ。
自分が囲い手篭めにする女が、他を見る事を許せるはずもない。
「……あげてください」
「あぁそう。じゃぁその見返りは?……ヤクザに頼むのに、付け届けぐらいあるんだろ?」
和穏はそう言った宗高をただ見上げていた。
何も持っていない自分が、何も差し出せない事はこの人が良く知ってるだろうと。
「あげて、じゃなくて『あげてください』だろ?」
そう言いながら和穏の頬を軽く数回叩く。
見下ろす目は、怒りが治まらずにいる。
政安を気遣い心配する和穏が気に入らないのだ。
自分が囲い手篭めにする女が、他を見る事を許せるはずもない。
「……あげてください」
「あぁそう。じゃぁその見返りは?……ヤクザに頼むのに、付け届けぐらいあるんだろ?」
和穏はそう言った宗高をただ見上げていた。
何も持っていない自分が、何も差し出せない事はこの人が良く知ってるだろうと。