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第3章 境遇

メゾネットタイプのこの部屋は、リビングに階段があり、上に横並びで3部屋ある。

和穏と政安が居た部屋は一階のリビング脇の部屋で、そこを出た宗高は階段を登る。

その後ろを善が歩き、ドアの前で手を伸ばし扉を開け、部屋の電気をつけると一礼して出て行った。

行かないで！！
2人にしないで！！

和穏は夢中で呼び止めたのだ。


「っ善！！」


和穏が発した名前に、宗高も善も驚き和穏を見るがその瞬間、和穏は宙を舞いベッドに投げ飛ばされ、宗高は善の胸ぐらを掴み、壁に押し付けた。


「おい、どう言う事だ？」

「お、俺は……何もっ！！」

「じゃぁ、何でお前の名前を呼ぶんだ？！」