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一度きり
第1章  
でも彼女が乱れる為には、ひとつ絶対的な条件がありました。
2度目のときでした。
約束通りホテルに行ったとき、彼女は、私から服を脱がされるのを拒みました。
私は“言葉だけ”だと思い、そのまま強引に脱がしました。
上半身を裸にされた彼女は、腕で自分の胸を隠しました。
その腕を、退かそうとしましたが、彼女は頑として動きませんでした。
彼女は言います。
「胸がちっちゃいから、見られたくない……」と。
服の上からでもそんなに胸は大きくはないのが分かりますが、隠す程のことではないと思いました。
私は彼女の胸が大きかろうが、小さかろうが、気にはしません。
「俺は、そんなこと全然気にしないよ……」
でも、彼女は断固として拒みました。
彼女は言いました。
「明かり……暗くして……」

その時は、彼女のかたくなな態度が理解出来ませんでしたが、今は分かるような気がします。
いくらこちらが構わないと言っても、本人には見られたくないコンプレックスはあるものです。
私は折れました。
それで、先に進めるのならと……。
照明の明るさを調節するダイヤルを回しました。
部屋は、身体の細部が分からないほど暗くなりました。
「これでいい?」
彼女は「うん……」と答えました。
これが彼女の“絶対的条件”なのです。
彼女の胸の腕を退かしました。
今度は簡単に動きました。
彼女の片方の胸を包むように、手の平を当てました。
掴みました。
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