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一度きり
第1章  
「あぁ、いい、いい……洋平、いい、いいよぅ……」
今度は私の名が呼び捨てになりました。
彼女の奥の壁で、私の先端がこねられます。
私が自発的に行う、ピストン運動ではありません。
初めての味わう“動き”と“感触”でした。
いつものと違う“女”の中の、いつも違う刺激に、早くも込み上げてきました。
このままでは、あと一分も持たないような気がしました。
「百合さん、いきそうだ……一旦やめていい……?」
「いって……いっていいよ、洋平、いって……」
彼女は目を開けずに言いました。
快楽の追求に、没頭しています。
「あっ、いく、私もいく……」
彼女が切ない声を上げました。

この調子で行けば、もう少し“持つ”と思っていましたが、彼女の「いく」と言う声が私を刺激しました。
急激に昇ってきました。
「ああ、いい、いくっ! いくっ!」
彼女が顔を持ち上げます。
眉の間にしわをよせ、目を強くつむっています。
私も目をつむり、下腹部にこみ上げてくるものを抑えようとしました。
ですが、彼女が
「いくっ……いくっ……いくっ……」
と、高い声を上げるたび、内部からのせり上がりが、早まります。
「ごめん、百合さん、だめだ……イキそう……」
「いいよ、きて、洋平、きてっ!」
「ごめん、出すよっ! いいっ!」
「うん……いいよ出してっ! 出してっ! 洋平!」
最後に、私は何度か自分で腰を打ち付けました。
「うーんっ、だめだ!…………いくっ!」
私は腰の動きを止めました。
これから来る快感の衝撃に、目を固く閉じました。
どくっと、最初の一番大きい塊を放出しました。
彼女の腰の動きも止まりました。
「ああんっ!」
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