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一度きり
第1章  
彼女が私を見上げました。
そして言いました。
その言葉は今でも憶えています。
「あんっ……わたし……他の男の人のもの、触っちゃった……」

彼女も私と同じで、結婚してから異性に触れた、初めての経験だったのでしょう。
そして、前から密かに“そのこと”を望んでいたのでしょう。
それも、私と同じように……。
彼女は、私のお腹の上に顔を載せました。
私の先端は、彼女の目の前にありました。
また握り直し、ゆっくりと、棒の皮を上下させます。
先端からも、恥ずかしいほどに、粘液がにじみ出ているのがわかりました。
皮が先端に触れるたび、その粘液が先端に塗りたくられます。
彼女は何度も、私のものを上下します。
握る力も強くなり、上下する速度も早くなってきました。
私も興奮していたので、彼女の動きに早くも私の中から“昇って来るもの”を感じました。

私は慌てました。
興奮していましたが、私は今日ここで“出す”のは、はばかれました。
出した後の処理が大変だからです。
まだ理性が働いていました。
「もういいよ、百合さん、出そうだよ……」
「いいわよ……出しても……」
彼女は、顔を私の股間にもっていったのです。
握っている手に少し力を入れて、先端を垂直に立てました。
そこに顔をかぶせてきました。

私のものが、彼女の口の中に、押し込まれました。
温かく濡れた柔らかい感触に包まれました。
閉じた唇の程よい圧力を感じました。
そのまま、顔が上下運動を始めたのです。
敏感なところに、歯が当たらず、慣れた動きでした。
人妻ともなれば、やはり同じようなことをしているんだろうな……。
そんなことを、ちらっと考えました。
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