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マスター・ナオキの怪店日記
第13章 冥途の土産
トクトクと音をたててロックグラスに注がれるウィスキー。その琥珀の揺らめきをめずらしそうに見つめる信一の前にグラスを置くと、恐る恐る持ち上げて、こわごわと唇をつける。口に入るか入らないかというくらい、まるで舐めるようにして酒を含むと、眉間も口も真ん中にぎゅっと寄せてアルコールの刺激を受け止めた。
「うわぁ、これは・・苦いのか辛いのかよくわからないけど、口の中に火が付いたみたいです。これがお酒なんですね」
「一度も飲んだことが無いんですか?」
「ええ、喉を通ったことはありません。実はね、子供の頃、父の前に置いてあるコップの中身をリンゴジュースだと思って飲もうとしたんです。その時の匂いに驚いて、それはお酒だと父に聞かされそれがトラウマになってしまって。ただの一度もアルコールを口にした事は無いんです」
なんとも子供らしいエピソードに、二人は顔を見合わせて目を細めた。
「最後にいい経験をさせてもらいました。ありがとうございます」
ちょこんと頭を下げ、一つ肩で息をして、スツールから立ち上がろうとした信一だったが、何かを思い出したかのようにあっと声をあげもう一度座りなおした。
「うわぁ、これは・・苦いのか辛いのかよくわからないけど、口の中に火が付いたみたいです。これがお酒なんですね」
「一度も飲んだことが無いんですか?」
「ええ、喉を通ったことはありません。実はね、子供の頃、父の前に置いてあるコップの中身をリンゴジュースだと思って飲もうとしたんです。その時の匂いに驚いて、それはお酒だと父に聞かされそれがトラウマになってしまって。ただの一度もアルコールを口にした事は無いんです」
なんとも子供らしいエピソードに、二人は顔を見合わせて目を細めた。
「最後にいい経験をさせてもらいました。ありがとうございます」
ちょこんと頭を下げ、一つ肩で息をして、スツールから立ち上がろうとした信一だったが、何かを思い出したかのようにあっと声をあげもう一度座りなおした。